●2006年の旅行市場は?
JTB が、2006年の旅行市場の見通しはを発表した。
2006年は、スポーツ・イベントや団塊世代を中心としたシニア及び富裕層の旅行動向が注目される。
また、税制改正による家計の負担増が予想されるものの、良好な企業業績と株価上昇などにより、一般市民レベルでも景気の上向きが実感されるようになる。
このことが堅調な旅行意欲を後押し、国内・海外にかかわらずプラスの影響を与えると思われる。
また、2006年の曜日配列を見ると、2005年に3連休となった2月、3月、9月下旬が飛び石連休になる代わりに、11月上旬が3連休となり、ゴールデンウィークは5連休となる。
全体的には日並びが若干悪くなるが、旅行意欲に大きな影響を与えるほどではないと思われる。
<国内旅行>
国内旅行人数は3億2,600万人(前年比+0.3%)と、前年をわずかながら上回ると見られる。
2005年の愛知万博については、万博見学のための旅行需要が追加発生したというよりは、旅行先として万博見学が選択された例が多かったと考えられる。
そのため、2006年の宿泊を伴う国内旅行需要は、従来の近郊の温泉地などに振り返られ増加は微小にとどまると予測する。
沖縄は2005年から続く好調さを維持し、北海道も世界遺産・知床ブームに加えてスカイマークの羽田/新千歳線の就航による運賃低下効果で、更に人気が高まるものと予想される。
また、2月、3月には神戸空港、新北九州空港、新種子島空港がそれぞれ開港予定。これにより、関西、九州方面の新たな旅行需要を創出する可能性も秘めている。
国内旅行の平均消費額は前年をわずかに上回る、34,790円(前年比+0.4%)と推計。
その結果、国内旅行消費額は11兆3,400億円(前年比+0.7%)となる。
<海外旅行>
中国・アジア・米国を中心とした好調な業務出張需要に加え、景気上昇感がこれまで出控えていた層の旅行意欲を刺激する。
鳥インフルエンザの蔓延などといった事態が起きなければ、2006年の海外旅行人数はこれまでの最高値である2000年の1,782万人を超え、史上最高の1,800万人(前年比+3.4%)を達成すると予測される。
2005年海外旅行の伸びを抑えた要因である中国・韓国の反日運動による観光客の鈍化は、2006年に入り徐々に回復に向かうと見込まれる。
ハワイへの航空座席提供数減少やホテル需給の逼迫は懸念材料であるが、米国本土への需要は回復
に向かっている。
サイパンへの日本航空便の運行停止は、グアム増便でカバーされると思われる。
アジアでは都市観光人気が復活し、歴史市街地区が世界遺産に指定され、新たなホテルのオープン計画が相次ぐマカオが、注目を集めることになろう。
トリノ・オリンピックやワールドカップ・サッカーにより、イタリアやドイツをはじめとして報道の機会が増加することで、その後のヨーロッパブームが期待できる。
ただし、燃油サーチャージやドル高、ユーロ高などにより、旅行代金は上昇傾向にある。このことが旅行意欲をそぐことはないと思われるが、消費者はより高いコストパフォーマンスを求めるため、価格や商品内容を見る目がいっそう厳しくなると見られる。
海外旅行平均消費額は297,200円(前年比+1.8%)と推計。その結果、海外旅行消費額は5兆3,500億円(前年比+5.3%)となる。
<訪日外国人旅行>
訪日外国人は、韓国や台湾への査証免除措置の恒久化や円安の効果で、好調が続くものと見込まれる。このため、2006年の訪日外国人数は史上初めて700万人を突破し、710万人(前年比+6.3%)まで伸びると予測。2005年の万博への外国人の入場数は100万人程度と推計されているが、万博のためだけに訪日した外国人の数は限られており、2006年にこの反動で減少するとはみられない。
伸び率は若干落ち着くものの、アジア方面からの入国者の増加が引き続き期待できる。ドル高、ユーロ高による欧米からの訪問者増に加えて、2005年からビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の重点市場に加えられたオーストラリアからの訪日客も増加が予想される。また、訪日実人数は多くないものの、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)からの入国者数の前年比(2005年)の伸びは大幅に増加が見込まれる。中国において米国への観光旅行が解禁されれば、中国における米国旅行ブームが起きて、日本の大きなライバルとなることが懸念材料となる。
台湾では日本の温泉が人気、オーストラリアからはニセコ(北海道)へのスキー客が急増している。訪日リピーターの増加に伴い、このように目的を明確にした旅行や従来の観光ルートから外れた日程の旅行の増加が進むものと見込まれる。
(参照:ホテル業界通信)


